新企画[1][2][3][4][TIDE-BLUE/もくぞう][6][7]    
     
     周期一万年、途方もなく遠大な長円軌道を持った太陽系13番目の未知の惑星“妖星マジーラ”が突如として人々のの目に映ったとき、地球の成層圏にまで達するぶ厚い霧に呑まれた。
 マジーラの霧は人々の五感をマヒさせ一瞬のうちに呼吸を奪った、甘く嫋やかな芳香を刹那に覚えた時、五体は霧散して素粒子となて消去された、やがて地球 の重力によって地表に圧縮されて液化したマジーラの霧はかつての海面を大きく嵩上げして東京もニューヨークもロンドンも3000メートルの海面下に呑み込 んでいた。突然にやってきた地球の終焉は神の領域から振り下ろされたクラックダウン(鉄槌)だったのか?大きく膨らんだ地球にはもはや生命の破片も残され ていないのか?だが、奇跡はあった、たった一機だけ周回軌道に残された有人衛星“メックアイ”に打ち拉がれた男女3人のクルーがいた、そして再び地上に降 り立つ術を失った彼らに突然、応答を求める通信が飛び込んできたのだ。
 陸地の影さえ見えない広大な海に一隻のアメリカの原潜“バークレイ”が浮上していた。たまたま深々度に潜航していたためにマジーラの霧の魔手から逃れて いたのだ、そして64億の命を呑んで青一色と化した海の地球でもう一隻の潜水艦“ゴライアス”が“バークレイ”と出合ったとき、衛星メックアイを巡って壮 絶な争奪戦が展開される、果して、この二隻の他に一体どれだけの命が残されたのか?その全貌を知り得るのはもはや余命の尽きかけた衛星メックアイのクルー だけだ、彼らの最后の観測が新たな地球の地勢図を作り上げる。
 地球の人口は千人か?1億か?いずれそれが新たな人間社会を構築し地球の再生を可能にするコア
に成り得るかどうか、そのためには彼らが誰かが支配し、従属させていかなければならない、それにはメックアイのデータは是が非でも必要なのだ、そこにバー クレイとゴライアスの覇権の行方を賭けた戦いに火が注がれていく。だがもう一ッの奇跡が現われる。海面が大きく割れて表現し難い異形を成した巨大な怪物が 姿を表わしたのだ。ニードルブランド潜水艦“もくぞう”だ。
 妖星マジーラの霧を予見していた7人の元原潜の艦長たちが不思議な交流を介して21年の歳月をかけて育て上げた生きている奇跡の潜水艦なのだ。クルーは 互いに艦長と呼び合う7人の艦長たちだ、生存者を拾い上げながら凶暴と化した二隻の原潜と対峙する“もくぞう”に救われた少年リュウトと少女ルミナが老艦 長たちの奇妙な付託を受けて再生地球の新たなる和解の道を拓いていく不思議な物語だ。
 
    (C)小澤さとる / あとりえ太陽市場