立場はそれぞれ~(笑)
2020.05.14
蕎麦屋と言う業種に携わってみて本当に特殊な商売だと思う。
大企業には絶対になれない業種です。

傷だらけの人生という歌がありましたがまさにあれです。
古い奴ほど新しいものを欲しがるもんでございます。
何から何まで 真っ暗闇よ
全てがこの2行でございます。

美味しい蕎麦イコール手打ちそばと刷り込まれてるかと思います。
蕎麦には手打ちそばと機械打ちそばの作り方があります。
手打ちそばだって下手に作れば最大にマズイマズイ蕎麦になります。
そもそも手打ちそばだとか機械打ちだとかを差別化を計るのは誰でしょうか?
蕎麦屋自身です。
機械打ちの登場は大正末期もしくは昭和初期です。
手打ちより衛生的である機械打ちが主流みたいな感じです。
新しもの好きな日本人は飛び付き機械打ちの流れになります。
もう一つ機械打ちの特長は水分が少な目で蕎麦を作ることができます。
水分の少な目の蕎麦は茹で時間長くなりますが蕎麦の天敵伸びを押さえます。
つまり出前に向いた蕎麦ができます。
戦前は機械化と言ってもモーターを使わず手動で機械のローラー&刃を回していたと聞きます。
戦後、モーターがついて本格的な機械打ちが始まり出前の需要を作り手打ちそば屋が少なくなったようです。
出前に適した蕎麦に対し水回しをしっかりとできる手打ちそばは一度には大量に作れませんがやはり美味しく出来ます。機械打ちでもしっかり水回しをして打ち粉振る作業をすれば手打ちには負けません。
しかしながら
昭和40年過ぎ辺りに手打ちそばこそが本格的な蕎麦であるみたいな風潮がでました。

出前向きの蕎麦は蕎麦粉の割合は半々もしくはほんの少し蕎麦粉が少な目の方が美味しくできます。
蕎麦の表示は蕎麦組合では蕎麦粉を50%以上入れる方が好ましいとか言ってます。
駅そばやカップ麺の蕎麦は蕎麦の表示は好ましくないというスタンスです。
しかし50%は無理なんで公式的には
全国製麺協同組合連合会では、そば粉30%以上、小麦粉70%以下の割合で混合した原料を用いたものを日本そばと呼んでいます。
食べて美味しければ良いわけだし、小麦粉100%のラーメンやうどんに国産か外国産とか気にします?
国産の小麦粉を使ったら日本ラーメンなんて言ったらバカみたいです。
蕎麦の表示は認めるけど日本蕎麦を名乗るなら蕎麦粉を30%以上入れてねみたいな感じです。
アホみたいです。

蕎麦粉国内生産量は僅かなものです。
安価な蕎麦を提供可能にしたのは中国産、北米産の蕎麦粉があるからです。
日中国交復興の貿易の目玉の一つが蕎麦粉の玄蕎麦輸入です。
今と違って中国からの輸入品目ってそれ程多くなく蕎麦粉はいい塩梅でした。
必要量があってしかも安く品質も良好ですから・・
蕎麦屋にとっては打って付けです。
あの時代に中国産の玄蕎麦の輸入がなければ蕎麦屋の半分は廃業していたと思います。
もしかしたら中学生の頃一家路頭だったかも・・(笑)

それが手打ちそば屋や老舗かは知りませんが
手打ち蕎麦が一番、やれ二八蕎麦だ、やれ国産だ!とそんなもんを売りにしてます。

美味しいね~って手打ちでしょ!とか
手打ちを褒め言葉みたいに使うお客さんがいらっしゃいます。
同じように蕎麦粉は北海道産、長野産でしょ~と聞く方もいます。
国産の混合粉と北米産を使用、機械打ちと答えると
悲しそうなお顔でお帰りになります。
おもてなしを考えれば嘘をつくべきなんですが、できる嘘とできない嘘がありますからね
仕方がありません

つまり 足を引っ張ったり壁を作ったりするのはいつも古くからの蕎麦屋や組合

江戸時代から続く老舗の店からは10年20年は鼻たれ小僧と言われる世界。
蕎麦屋の考え方では企業にはなれません
唯一企業にまで成長した蕎麦屋は駅そばの富士そばですかね~
手打ちそば、二八蕎麦、国産、そんなもん糞くらいでお客の立場だけを考えて商売をしてます。

30代の頃、美味しい蕎麦を作ろうとすれば出前には不向きになり結果的には出前では出来の悪い蕎麦を提供することになります。
せっかく店も綺麗にしたんだし店売りを中心に蕎麦をと思うのだけど売り上げは出前の方が3倍から4倍。
42歳で父が他界し45歳で職人さん70歳を越え辞め出前を止める決断。
売り上げは見事に1/4になり固定費は上がりっぱなしで・・(笑)
出前のお客様が店のお客様になって頂けるまでのハードルは高いです。
便利だから注文するのであって美味しいから注文するお客様の少なさに心情的に愕然。
これが現実であり仕方ないと新たなスタートでした。

瀧乃家の蕎麦は美味しいねと認知されるまで頑張ろうと思ったのです。
12月31日大晦日の生蕎麦の数に自分では目標を置きました。
100キロの蕎麦粉を打つを目標にしました。
生蕎麦は160食ほど作りました。
生蕎麦1食で3人~4人分はありますので店売りと合わせれば500人ほどの方が瀧乃家の年越しそばを食べることになります。
小さな蕎麦屋ですので100という数字は中々ね~
3年前から余ってもいいからと作り100キロ完売したのは良かったけど完全に腰が悲鳴を上げ寝正月。
最後の大晦日は店売りを止め70キロを練り上げて店仕舞い。

月日の経つのは早い。。

トラックバックURL
トラックバック一覧
コメント一覧
コメント投稿

名前

URL

メッセージ

- CafeLog -