私の自信なんざ薄っぺらでござんす。
2020.05.19
出前のつぶやきで少し話した。
40年前に出前先のヨウコさんにウドンがマズイと言われ
○○の店に行ってごらんよ!と驚きの発言は私にとって最大のエールでした。

12月31日大晦日の最後の蕎麦を食べたときはヨウコさんへの答えは
何とか頑張って作り終えたような気がしました。
1400円ほどで妹2人と私たち夫婦で4人の年越しそば。
家庭用の鍋で簡単に作り1分ほどの茹で時間。
お客様と同じくするために実は妹に作らせてみたんです。
切れることは全くありませんでしたし十分に美味しかったです。
生蕎麦をずっと売り続けていた少しの不安を最後の蕎麦で振り払いました。

そしてヨウコさんにもやりました!と言える気分でした。

先日、友人のFさんの蕎麦を見たのです。
いつかは食べる、食べさせてもらうとは思うのですが・・(笑)
Fさんはすばらしい蕎麦を打つのです。
全く切れる気配がない蕎麦です。
水回しが完璧です。
初めての蕎麦粉を使って切れない蕎麦を作るって結構難しいんです。


はっきり言って参りました。

聞けばFさんの作る量は500gと言う少ない蕎麦粉
そんな少ない粉で打つと水回しの水分量は誤魔化しができません。

おちょこ一杯の量の違いで繋がる蕎麦か切れる蕎麦かになります。
しかもアマゾンで買った北海道産の粉だそうです。
私には到底不可能で真似のできない芸だと思います。
つまり私が打つと失敗する確率が高い気がするちょっと自信がありません。
粉によって打ち景色が全く違いますから本当に本当にすごいことです。

ある鎌倉の手打ちそば屋の切れ切れの蕎麦です。



本当にヨウコさんにやりました!って胸を張れるのか!お前は・・(笑)

立場はそれぞれ~(笑)
2020.05.14
蕎麦屋と言う業種に携わってみて本当に特殊な商売だと思う。
大企業には絶対になれない業種です。

傷だらけの人生という歌がありましたがまさにあれです。
古い奴ほど新しいものを欲しがるもんでございます。
何から何まで 真っ暗闇よ
全てがこの2行でございます。

美味しい蕎麦イコール手打ちそばと刷り込まれてるかと思います。
蕎麦には手打ちそばと機械打ちそばの作り方があります。
手打ちそばだって下手に作れば最大にマズイマズイ蕎麦になります。
そもそも手打ちそばだとか機械打ちだとかを差別化を計るのは誰でしょうか?
蕎麦屋自身です。
機械打ちの登場は大正末期もしくは昭和初期です。
手打ちより衛生的である機械打ちが主流みたいな感じです。
新しもの好きな日本人は飛び付き機械打ちの流れになります。
もう一つ機械打ちの特長は水分が少な目で蕎麦を作ることができます。
水分の少な目の蕎麦は茹で時間長くなりますが蕎麦の天敵伸びを押さえます。
つまり出前に向いた蕎麦ができます。
戦前は機械化と言ってもモーターを使わず手動で機械のローラー&刃を回していたと聞きます。
戦後、モーターがついて本格的な機械打ちが始まり出前の需要を作り手打ちそば屋が少なくなったようです。
出前に適した蕎麦に対し水回しをしっかりとできる手打ちそばは一度には大量に作れませんがやはり美味しく出来ます。機械打ちでもしっかり水回しをして打ち粉振る作業をすれば手打ちには負けません。
しかしながら
昭和40年過ぎ辺りに手打ちそばこそが本格的な蕎麦であるみたいな風潮がでました。

出前向きの蕎麦は蕎麦粉の割合は半々もしくはほんの少し蕎麦粉が少な目の方が美味しくできます。
蕎麦の表示は蕎麦組合では蕎麦粉を50%以上入れる方が好ましいとか言ってます。
駅そばやカップ麺の蕎麦は蕎麦の表示は好ましくないというスタンスです。
しかし50%は無理なんで公式的には
全国製麺協同組合連合会では、そば粉30%以上、小麦粉70%以下の割合で混合した原料を用いたものを日本そばと呼んでいます。
食べて美味しければ良いわけだし、小麦粉100%のラーメンやうどんに国産か外国産とか気にします?
国産の小麦粉を使ったら日本ラーメンなんて言ったらバカみたいです。
蕎麦の表示は認めるけど日本蕎麦を名乗るなら蕎麦粉を30%以上入れてねみたいな感じです。
アホみたいです。

蕎麦粉国内生産量は僅かなものです。
安価な蕎麦を提供可能にしたのは中国産、北米産の蕎麦粉があるからです。
日中国交復興の貿易の目玉の一つが蕎麦粉の玄蕎麦輸入です。
今と違って中国からの輸入品目ってそれ程多くなく蕎麦粉はいい塩梅でした。
必要量があってしかも安く品質も良好ですから・・
蕎麦屋にとっては打って付けです。
あの時代に中国産の玄蕎麦の輸入がなければ蕎麦屋の半分は廃業していたと思います。
もしかしたら中学生の頃一家路頭だったかも・・(笑)

それが手打ちそば屋や老舗かは知りませんが
手打ち蕎麦が一番、やれ二八蕎麦だ、やれ国産だ!とそんなもんを売りにしてます。

美味しいね~って手打ちでしょ!とか
手打ちを褒め言葉みたいに使うお客さんがいらっしゃいます。
同じように蕎麦粉は北海道産、長野産でしょ~と聞く方もいます。
国産の混合粉と北米産を使用、機械打ちと答えると
悲しそうなお顔でお帰りになります。
おもてなしを考えれば嘘をつくべきなんですが、できる嘘とできない嘘がありますからね
仕方がありません

つまり 足を引っ張ったり壁を作ったりするのはいつも古くからの蕎麦屋や組合

江戸時代から続く老舗の店からは10年20年は鼻たれ小僧と言われる世界。
蕎麦屋の考え方では企業にはなれません
唯一企業にまで成長した蕎麦屋は駅そばの富士そばですかね~
手打ちそば、二八蕎麦、国産、そんなもん糞くらいでお客の立場だけを考えて商売をしてます。

30代の頃、美味しい蕎麦を作ろうとすれば出前には不向きになり結果的には出前では出来の悪い蕎麦を提供することになります。
せっかく店も綺麗にしたんだし店売りを中心に蕎麦をと思うのだけど売り上げは出前の方が3倍から4倍。
42歳で父が他界し45歳で職人さん70歳を越え辞め出前を止める決断。
売り上げは見事に1/4になり固定費は上がりっぱなしで・・(笑)
出前のお客様が店のお客様になって頂けるまでのハードルは高いです。
便利だから注文するのであって美味しいから注文するお客様の少なさに心情的に愕然。
これが現実であり仕方ないと新たなスタートでした。

瀧乃家の蕎麦は美味しいねと認知されるまで頑張ろうと思ったのです。
12月31日大晦日の生蕎麦の数に自分では目標を置きました。
100キロの蕎麦粉を打つを目標にしました。
生蕎麦は160食ほど作りました。
生蕎麦1食で3人~4人分はありますので店売りと合わせれば500人ほどの方が瀧乃家の年越しそばを食べることになります。
小さな蕎麦屋ですので100という数字は中々ね~
3年前から余ってもいいからと作り100キロ完売したのは良かったけど完全に腰が悲鳴を上げ寝正月。
最後の大晦日は店売りを止め70キロを練り上げて店仕舞い。

月日の経つのは早い。。

出前
2020.05.13
父が下落合の地で商売を始めた理由の一つは菓子業では金銭的に子育てが厳しいことからです。
つまり子育てが第一です。
商売にとって下落合の地はどうなんでしょうか?
会社の町と言うより住宅地です。
当然ながら店売りより出前中心の店としてやると決めて出店しました。

出前の範囲は城下町のようだと常々父は言ってました。
他店の蕎麦屋の範囲には出前をしないが第一条件で、
最初に決めた範囲は何があっても守るでした。
父が決めた範囲は元二睦の氏子の範囲でした。
初めて町ですから知らないとは思うのですが商売人としての優れた嗅覚でしょうね
ポイントとしては、隣の郵便局さん、落合第四小学校、落合中学校、坂下のホヤガラス。
この4つは要、重要ポイントだと決めてたようです。
とくに学校は配達するだけで宣伝になると言ってました。
しかも信用されてると・・
まぁ、その分私の悪ガキが足を引っ張るのでトントンでしょうか(笑)
困ったものです。

時代は移りそれら重要なポイントが全て失われました。
私の力不足と言えば力不足なのかもしれません。
会社では社員食堂が出来て出前禁止令が出され、社長室のみの配達だけになったり・・
社長に届けるとあの坂道を社員さんが上がって来て頂けるんですよね~
社長交代があればやはり出前はストップされますし、第一出前禁止令を出してるのは社長自身なんだし。
近年では中落合から西新宿へ本社が移転されたそうですから益々繁栄をお祈りをしてます。

郵便局は配達部門を上落合へ移し人数が1/10になり出前そのものがなくなりました。

小学校中学校はあの神戸のさか○○ら事件以降関係者以外立ち入り禁止になり出前を取らなくなりました。
そんな事件が起こる昔に古狸と言われる先生から出前を取る理由を聞かされました。
その中の一人、鷲峰先生ですが私の妹の先生でした。
噂で中学校が少し荒れてた時期がありました。
おい、ヤスオカ、ボーっと出前をしてるんじゃないぞ、
なぜお前とこから出前を取ってるか分かってるのか?
お前がここの卒業生だよな~
お前が毎週ここに配達するってことは生徒はお前の顔をしっかり覚えてるんだ。
だからな!お前はな!出前の途中で生徒が悪いことをしたらしっかりと注意できるんだ。
生徒にお前の顔を覚えさせるために俺は出前を取ってるんだから・・。
注意するんだぞ!頼んだぞ!
事件後余りにもすごい事件でしたから学校配達が来なくても仕方ないとは思ったけど
いきなり締め出された時はさびしかったなぁ~

K塗装の親父さん、私の大好きな親父さんでした。
K塗装の配達は苦労しました。
12時きっかりに持って来い!最大であり最悪の要望です。
みんな12時に食べたいじゃないですか・・
でも、12時と言うのは大切なんじゃぞヤスオカくん
K塗装親父さんも私の同級生の親御さんです。
ウチのような零細企業の宝は従業員だ。
12時きっかりに昼ご飯を食べさせて1時までゆっくりと休ませてあげたいわけだ。
これが12時半に持って来たらゆっくりと食べることもできないし休むこともできない
しいては事故の元だ。
だから頼むぞ!
残念ことに同級生の息子はいい奴なんだろうけど理解不足だ。
自分のマンションへ配達を頼んだことがあって、瀧乃家の配達外だから断ったんだけど
友達だから頼むよ、息子が風邪ひいてるから尚更と・・
では、空の器はK塗装に朝持って来てねと言う約束で配達しました。
案の定いうか空の器はマンションの玄関に出されてました。
約束が違うと言うと彼は客だから当たり前だろ~とお前の仕事を仕事をしっかりしろと・・
私の仕事は配達外に配達をして信用を失うことではない!だから断りをした。
貴方が友を口にしたから友としてK塗装へ空の器をお願いしたんだ。
初めから客としてなら断ってる話だ。
そんな痴話げんかのような話も親父さん笑ってやったんだってな~の一言
亡くなって4年か・・。
親父さんに感謝です。
事務所での二言三言の会話懐かしいです。

あと忘れちゃいけないのがヨウコさん
たしか不動産関係事務所で働いていた女の子です。
その女の子一言がきつかった~
瀧乃家さん、うどんがまずいよ~
40年前の話です。
その時代はまだまだ貧乏な時代で食べれれば良かったね!ですよ
特に出前にそんなことを言うなんて驚きでした。
確かに世の中、手打ちそばが美味いと言う風潮が出始めたころ。
その一言から蕎麦との格闘が始まったと言って良いでしょう。
自分が美味しい蕎麦を作ろうと思えば思うほど出前には不向きな蕎麦になる。
この話は別のつぶやきで
とにかくヨウコさんには感謝です。


出前では多くのことを教わりました。
出前は相手の台所、懐へ飛び込むわけですから先ずは信用がなければ始まりません。
その信用も自分の知らないところで一夜で失うことが多いのです。

今コロナ騒動で出前が見直されてます。
配達する気持ちになって出前を取ってください。
エレベーターが止まってるときは時間をずらして取りましょう~



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