サイピート

作品形式 連載、
掲載誌 ぼくら
掲載号 昭和39年、64年7月号〜66年4月号
掲載誌発行元 講談社
解説 奇しくも64年の8月にはサイボーグ009の登場があり、サイボーグの頂点を極める、サイピートもサイボーグ漫画のひとつになる。小沢サイボーグとは反射神経の改造であり、人間の限界を科学の力で極めると言うものであった。冒頭、三角博士のサイボーグ研究は自分自身の劣等感から始まる導入部は小沢漫画の面白さである。そして敵方も普通の人(悪人)であり、まるで子供の世界(サイピート対アパッチ党)に置きかえたサイピートの世界は、原っぱに転がる子供の夢の世界のようである。009のような壮大な物語ではないところが、小沢漫画と言えるだろう。小沢先生のサイピート解説
ネタバレ  半年も行方不明になっていたサイボーグ研究の第一人者の三角(みすみ)博士は、橋の上から身を投げたところを、F104のパイロット、早田一尉に助けられた。三角博士は、自分の顔に対する強い劣等感からサイボーグ研究を始め、これからの人類にとって大切な研究の糸口を付けたとして高く評価されたが、自分を救うためには役に立たなかったことを悲観したのだった。朴良(ぼくら)病院から抜け出し、高い塀を軽々と飛び越える博士。追いかけてきた早田を見て、博士は彼こそ自分の長年探し求めていたものと確信し、姿を消す。

 一ヶ月後、F104で飛び立つ早田を見送る三角博士は、頭のよく働く丸山(明智)ケン太郎(ケンぼう)、勇気のある竜、力持ちの五郎(魚八の息子)の三人が力を合わせ、ガキ大将ゴン太のグループ「アパッチ党」(ほかチーぼう、三吉ら)を撃退するところに出会う。三人は、「正義の使者サイピート」−狙ったら外さない百発百中−と名乗る。

 月日が経ち、哨戒飛行中の早田らは、ある空域で計器の異常に襲われ、危うく墜落を免れる。再調査に向かった早田は、ある島(三角島)が異常の原因であることを知り、パラシュートで降下する。そこに自分とそっくりの多数の人形があるのに驚く早田は、三角博士と出会い、五助という男に洞窟の奥の部屋まで無理矢理連れられる、そこで博士は、早田そっくりの男に、早田を殺すよう命じる。早田は、格闘技も銃も通用しない相手に苦戦するが、からくも感電させて倒す。
 
 早田一尉を探しに飛行艇でやってきた自衛隊の仲間の前に、倒したはずの男が早田になりすまして現れ、計器あらしの原因となるものはなにもなかったと告げた。その男は、三角博士が苦心して作り変えた人間で、親も兄弟もいない早田の身代わりになって飛行艇で帰ってしまった。
 
 博士は、自分がパイロットにあこがれて自分を作り替えようと研究を始めたが、自分の顔だけはどうにもできず、一度は死のうとまで考えたが、かわりに、誰かを思い通りに作り替えて、自分のやりたいことをやらせたいと早田に言う。
 
 閉じこめられた早田は、スタンドの電気と金魚鉢の水で五助を感電させて逃げ出すが、博士のインパクト・ガンで気を失う。目が覚めた早田は、自分が拳銃の弾もよけられる反射神経を備えたことを知る。勝手に改造されて怒った早田に、博士は、知恵の三角、勇気とスマートさの早田、ばか力の五助の三人組、サイピートとなって世の中の役に立ちたいと語る。

 1ヶ月後、少年サイピートの3人は、会いたいというサイピートと名乗る者からの手紙を受け取り、そこに自分らとそっくりの3人のロボットの乗ったエア・カー「エア=スキップ」が現れる。乗り込んだ3人は空を飛び、海を越えて三角島に向かう。
 
 島では早田が地雷や無人攻撃機やロボットを相手に訓練を積んでいた。三角、早田、五助の3人はスマートな服に身を固め、少年サイピートたちを迎える。博士は3人の少年に正義を愛する仲間として「サイピート」の名前を使わせてもらうよう頼む。6人は力を合わせることを約束し、竜たちは、困った時に連絡するテレ=ウォッチをもらう。

 アパッチ党の連中が、ケン、竜、五郎の人形を火あぶりにするところに、少年サイピートがエア=スキップで帰ってきて、追い払う。3人はエア=スキップを防空壕に隠すが、アパッチ党の三吉が見付け、ボスのゴン太、チーぼうの3人で運びだそうとする。そこに怪しい3人の銃を持つ男たち(あにき、辰、?)が現れ、ゴン太らを秘密の隠し部屋に閉じこめる。一方、エア=スキップに万年筆を忘れてきたケンぼうが防空壕に戻ってきて、誰かが来ていた形跡を見付け、隠し部屋を発見するが、男たちに捕まえられてしまう。

 竜と五郎は、ケンぼうが約束の集合時間から1時間経ってもやってこないだけでなく、ゴン太、三吉、チーぼうも帰宅していないことを知る。日が暮れて町の人々が探し回るのを見て、防空豪の男たちは引き揚げる準備を始めるが、そこに竜と五郎が現れる。辰は、逃げる竜たちを追いかけ、銃を発射するが、突然の懐中電灯に目をくらまされ、2人を逃がしてしまう。 男たちは荷物とエア=スキップとケンぼうをトラックに積み、防空壕に爆弾を仕掛けて逃走する。竜はトラックに飛びつくが、男の一人に見付かり捕まってしまうが、スキを見てビール・ビンで男をぶん殴って気絶させる。竜は、ケンぼうから、防空壕に爆弾を仕掛けられていることを知り、エア=スキップでゴン太たちを救出しに向かう。ケンぼうは、テレ=ウォッチで早田たちを呼ぶ。

 竜は、エア=スキップで防空壕に飛び込み、びっくりして逃げようとするゴン太たちをエア=スキップに乗せて脱出しようとするところを、時限爆弾が爆発し、エア=スキップごと埋められてしまう。 トラックのケンぼうを助けるため、早田はロケット機で現れ、麻酔銃で男たちを眠らせる。生き埋めになった竜たちを助けるため、早田は三角博士に連絡する。現れた巨大ロボット「エスマン」は、生き埋めになったエア=スキップを掘り出し、4人の少年を救出する。

 翌朝、朝のニュースはサイピートの活躍と密輸団の逮捕を報じる。サイピートを唯一呼び出せる少年サイピートの3人はいちやくスターに。3人は、学校の友達や新聞記者に追い回され、見知らぬ車に乗り込んで逃げるが、運転手(一尉)はいつの間にか死んでいた。暴走する車はトラックに衝突しそうになり、川に飛び込むが、浅い川のため3人は命拾いする。そこに知らない男2人が現れ、一尉が持っているはずのフィルムを探すが見付からないため、少年サイピートの3人を脅す。竜と五郎は男たちを投げるが、ケンぼうが捕まる。竜は、テレ=ウォッチで早田らを呼ぶが、男たちにテレ=ウォッチを取り上げられ、車で連れ去られる。
 
 円盤形ロケット機で現れたサイピートの3人は、超人的な跳躍力を見せ、五助のバカ力で車を止める。男たちの銃を軽々と避け、翻弄し、観念させてしまう。警察がやってきたところでサイピートは去っていく。

「サイピート」単行本ガイド

初版発行日 平成11年2月15日
全巻数 全1巻
レーベル アップルBOXクリエート、小沢さとる名作復刻集21
出版社 アップルBOXクリエート
版型 A5サイズ
備考