ヤマトワンダーの最後は如何だったのか!


妄想投稿 ヤマトワンダー戦

青の6号との遭遇戦で、大きな痛手をうけた、ヤマトはマックスの海中要塞ビックマックスでの修理を行っていた。
乗員の被害も大きく、前艦長以下の司令部要員は、全滅しており、機能の回復には暫くの時間を必要としていた。
新乗員のサイボーグ改造も遅れており、生き残りを含めても再起には半年が必要と考えられていた。
ビックマックスの奥深く、マックス首領の部屋では、ヤマトの新艦長が呼ばれていた。

『マイン艦長、ヤマト艦長に就任おめでとう。』
首領はマイン艦長を注視し、声を上げた。

『前艦長は残念だったが、ヤマトの整備も進行しており、この要塞基地の完成とヤマトの再就航はマックスの大きな力となるだろう!マイン艦長頼んだぞ!』
首領はこの後マイン艦長にマックスの理想、意義について、説明し続けるのでる・・・・。

『で、作戦だが、ゲルベス提督から聞いて貰いたい。以上だ。下がって宜しい』
敬礼と共に、部屋を退出するマイン艦長にゲルベス提督が話を始めた。

『マイン艦長、君は黛を知っているか?』
突然の質問に答えを躊躇するマイン艦長

『ハイ、提督。黛は、マックスの潜水艦訓練センター時代の私の上司ですが・・・彼が何か?』

『艦長には悪いが、彼の本名は野中、青の特殊工作員だ。』
提督の思わぬ事実の公表にマイン艦長は動揺を隠せない。

『え?!黛が・・・・彼は私の友人でした。何かの間違いではありませんか?』

『彼は一月前にマックスの諜報員によって、正体を暴かれ、拘禁されていたのだが、
 二週間前に脱出に成功し、 行方をくらましたのだ。』
提督はタバコを銜えて一息つくと

『警備隊により、負傷はしたようだが、無事に青の組織に救出されたそうだ。』
と言い放つ。

提督の言葉に黛に友情を感じていたマイン艦長の安堵の表情が浮かべる。
それを察するように提督は、
『艦長、彼の抹殺を命令する!』
と命令した。

『彼は、この基地に関する資料を持ち出している。先のドーム攻略戦で、潜水艦部隊も大きな損害を受けた。
現状、この要塞基地の可動までの安全を確保したい。』

『彼との間に何があったかは此処では、問わない。君は義務を果たしてくれると信じている。』
提督の命令は、青のドーム基地の再襲撃作戦を行い、収容されている黛もろとも青を抹殺せよという事だった。
確かにマックスの潜水艦隊は壊滅的打撃を受けたが、青の潜水艦部隊も同様であり、ヤマトを有するマックスが若干有利と思われた。
複雑な思いを胸にマイン艦長は出撃の準備に取り掛かる。


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ヤマトワンダーの圧倒的脅威

ヤマトワンダー潜水艦隊・・・潜水戦艦ヤマトにムスカ潜水艦5隻を追従させる小規模な編成である。
が、その戦闘力は著しく、現状の青の潜水艦隊では、青の基地を防衛する事は困難であろうと思われた。

『艦長、前方に航海中の艦船があります。』
ソナー員の報告にヤマトの司令室では緊張が走った。

『前衛艦に確認させよ!』
とマイン艦長の命令がある。
数分後、前衛の3号ムスカから、報告が入る。

『艦艇は青の潜水艦、標識は7号と判断する』

『マイン艦長!哨戒でしょうか?』
と副長が声をかける。

『判らん。だが、奇襲攻撃の為には交戦を避けるべきだろう。敵の進行方位と速力を報告させろ!』
前衛艦3号のムスカは7号タルボットの状況確認を行う為に無音で、潜望鏡深度まで、浮上していく。
その際3号ムスカに異変が起った。機関部からの異常音だ。
乗員の錬度不足で、機関推進装置の逆転装置を動かしてしまったのだ。
通常回転中のスクリューに対して、逆転させる為にはクラッチを介する。
これなくギアを接続させた為、受け軸から悲鳴が挙がったのだ。
この異音は、7号タルボットにも当然探知された。

『バーク艦長!艦後方に潜水艦を探知!音識・・・・ムスカです!!』

『急速潜航!戦闘配備』
7号は海中に潜航すると同時にムスカへの攻撃準備を始める。
H魚雷を発射する7号、その魚雷は異音を発生し続けるムスカに直進、命中撃沈することに成功する。

『青の本部に連絡!敵ムスカを発見、撃沈に成功する。その目的は不明なるも・・・・』
海上にアンテナを出し、通信を送る7号。
しかし、ムスカ撃破に気が緩んだ7号にヤマトワンダーの必殺のB(ブースター)魚雷が迫る。
あまりの遠距離から打ち出されたB魚雷は7号の探知能力を超えて、艦に接近し、近接信管を作動させた。
突然の爆発にタルボット号は船体を捻じ曲げられ、機関室より大量の海水が船内に浸水していく。
ガボ!ゴボ!苦悶の音を海中に響かせながらタルボット号は、徐々に沈降していく・・・・。

『B魚雷命中しました。船体の破壊音確認しております。』
ヤマトワンダーのソナー員だ。

『やりましたね。艦長』
副長が笑みを浮かべる。
しかし、マイン艦長は思案顔で、答えた。

『いや、この交戦で、青の奴らは警戒を強める筈だ。強襲になるな。うむぅ・・・作戦を変更する』
ヤマトワンダー潜水艦隊は、強襲作戦の為の準備を整える。

そのころ青の組織では、連絡を絶った7号の捜索と警戒のためにブルーホークを中心とした国連海軍の艦載機を発進させていた。
その一機がヤマトワンダー潜水艦隊を発見する。

『数隻の潜水艦が青の本部に向けて航行中!一隻は大きさから、ヤマトと判断する!』
この報告に驚愕した青の組織は、ドーム防衛の為、残存兵力の集結と攻撃の準備を行った。
マックスの狙いは、ドーム基地の襲撃と予想された為、防衛線の構築は簡単であった。
しかし、青の潜水艦部隊に関しては、再補充が間に合わず、4隻が配置に就いていただけである。
しかも7号は行方不明、6号は乗員の再訓練中で、兵力になりそうなのは、
1号と3号だけと言ってよく、兵力不足は深刻だった。
ヤマトワンダーに対する攻撃は、艦載機による爆雷と対潜魚雷の攻撃から始まった。
潜水艦の対空戦闘力は問題にならず、作戦は簡単に推移するはずであった。
だが、マイン艦長は予想外の行動に出る。
ヤマトワンダーを浮上航行させ、艦載機を対空攻撃してきたのである。
元々対潜兵器と小型ロケット弾を主装備してきた艦載機群にヤマトワンダーに敵うはずも無く、撃墜されていく。
艦載機の苦闘を知った青の水上艦隊は、ミサイル艦を用意し、一斉攻撃を行った。
だが、対艦ミサイルも同種の艦艇(巡洋艦以下)を対象としている為に弾頭の威力が弱く、
対爆46cmの防御装甲を打ち破る事ができない。
反対にヤマトワンダーの46cmB魚雷や砲弾、ロケット砲で、次々撃沈されてしまう。
最後の防衛線は青の潜水艦部隊(1号、3号)と国連潜水艦隊との混合部隊だ。

『艦隊指揮官のギルフォード少佐である。ヤマトは防衛線を突破した。我々が最終である。
此処を突破されれば、青のドームは破壊され、青の組織は大きな被害を受ける。』

『艦隊は全力で、ヤマトワンダーを阻止する。作戦開始!』
ギルフォード少佐の号令と共に、前進を開始した、潜水艦部隊。
彼らにヤマトワンダーの攻撃を阻止できるのであろうか?

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野中とマイン


マイン艦長は青のドーム潜入作戦を発動した。
部隊はヤマトワンダー乗員(サイボーグ人間)で編成され、青の潜水艦部隊と交戦中に
B魚雷を改装した特殊運用艦を魚雷と共に打ち出し、青のドームに潜入させる計画だ。
ヤマトワンダー部隊は、ドームの警戒を手薄にする為に、撤退と見せかけ、西方に退避させる作戦だ。

『副長、私は潜入部隊の指揮を執る。艦隊を頼んだぞ。』
マイン艦長の突然の指示に困惑を隠せない、副長。

『艦長が・・ですか!』

『黛・・いや、野中二尉とはマックスの潜水艦学校で、旧知の仲なのだ。かれが、マックスを裏切った。
何故なのか?!自分自身で、この目で、事実を確認したいのだ。我侭を言ってスマン。』
艦長の言葉に理解を示す、副長。

『わかりました、艦長。任せてください。御健闘を祈ります。』
敬礼で、答えたマイン艦長は司令室から運用艦に向う。扉が閉まると同時に、ヤマトのソナー員が叫ぶ。

『青の潜水艦部隊、前方に展開中!』

『ムスカは独自の判断で、行動を開始せよ。我々の目的は敵艦隊の誘導だ。忘れるな!』
副長の音信が各艦に伝達される。
ヤマトワンダーの主砲等が旋回、仰角を調整したのち、B魚雷を撃ち出していく。
各ムスカも同時に魚雷を撃ち出す。
そのB魚雷に混じり、運用艦も撃ち出されドームに向って進んでいく・・・・。

マイン艦長以下の特殊部隊はドーム基地に取り付くことに成功した。
青の部隊はヤマトワンダーに気をとられ、部隊の潜入に気がついていない。
簡単に基地内部に潜入していく、マックスのサイボーグ達。
徐々に野中二尉の身に危険が迫っていた。
其の頃、野中二尉は、青の開発局で、マックスから齎された秘密特殊魚雷の最終調節を行っていた。
これは、限定した核反応を起こす弾頭を装備した魚雷で、
元々青のドーム基地を破壊する為に開発されたものであった。
野中二尉が、技術班班員と共に、開発室の扉を開け、中に入った時にそれは起った。

『ガツ!』
殴られた音がして、隣の班員が崩れ落ちる。
振り向こうとする野中二尉の背中に銃口の感触が・・・・・。

『だれだ?!』

『黛・・・・』
野中二尉は、聞き覚えのある声に驚きを隠せない。

『マイン?アーベルト・マインなのか?』

『まだフルネームで、覚えていてくれたようだな。黛・・いや!青のスパイ、野中二尉!!』
マインの口調はきつい。

『よくも潜入できたものだ、さすがは、マインだな』

『当然だ、マックスの水中サイボーグ兵を忘れては困る。
 こいつは、蛭田博士のアイディアだが、実行指揮官はお前なのだからな。』
マインは野中二尉に向って言い放つ。

『お前とは旧知の仲だったからな。お前の水中人類計画は、人類の未来を豊かにできると、俺は確信していたからだ。
体を改造したのもお前の研究を助けたかったしな。』

『マイン・・お前には感謝しているよ。計画はかなりの部分まで進んだからな。』

『ではなぜマックスを裏切った?』
マインは問いかける。

『別にマックスでなくても良かったんだよ』
野中二尉が答える。

『なんだと!お前はマックスの理想に感化され、俺を誘い、研究を繰り返してきたのではなかったのか?!』

『ああ、地上はもう楽園では無かったからな。10年前、海に地球の未来をかけて、
多国籍企業のM&Aが、開発を開始したのは知っているだろう・・・。』
野中二尉は静かに語り始めた。

『開発は順調に進んだが、少し無理をしてな、環境破壊が始まったんだ。』

『開発と自然環境維持は、中々相容れなくてな。M&Aは分裂したんだ。』
野中二尉は一息つくとマインに話し続ける。

『実はな、M&Aは、マックスと青の組織の母体なんだ!環境破壊容認派と反対派それぞれが立ち上げた組織ということさ。
俺が容認派についたのは研究がし易かったからさ。』

『マックスの奴ら蛭田博士に唆され、俺を嵌めようとしたんだ。だが、奴らはしつこくてな・・・この通りの体だ。』

『お前の協力で、水中人類計画は充分に完成させた。』
野中二尉はマインを見据えると

『だが、これ以上はマックスが俺に付き纏うのはうんざりなんだ。
 俺の事を知っているマックスをあの海中要塞と共に葬りさってやるつもりだ!』

『そして・・・残念ながらアーベルト・マインお前も・・・だ』

『俺はお前に騙されていた・・・・?』
驚きの事実に一瞬銃口が下がる。
野中二尉はその瞬間を逃さなかった。
左手に隠し持っていた電磁ナイフをマインの胸に突き立てる。
その動きは両眼、片手、片足を失った人間の動きではなかった。

『お前・・・』
苦しい息の中からマインは野中二尉に問い掛けようとする。

『ああ、サイボーグの体さ。マックスを脱出する際、こんな体にされちまったんで、しかたなくさ。悪いな・・・・。』

『それに今話した事が、他人に聞かれると拙いんでな・・・。』
息絶えるマイン艦長。
それを見届けるとインターホンで、ドーム基地内の警報を発動させた。
武装した警務隊がドーム内のサイボーグ兵を駆逐していく。

『伊賀艦長!特殊魚雷の準備ができた。搭載を頼む』
マイクで指示を伝える野中二尉の姿が司令室にあった。

ヤマトワンダー艦隊と青の潜水艦部隊との戦闘は激烈を極めた。
ムスカと国連原潜との魚雷の撃ち合いは双方に大きな損害をだし、
特に数を圧倒されるムスカは追い詰められていく。
青の1号と3号は対艦ミサイルと魚雷による攻撃を繰り返しヤマトワンダーに加え続けていた。
さながら、その光景は鯱が鯨を襲う様に似ていた。

『左舷方向へ攻撃を集中し、ヤマトの復元力を失わせる!』
ギルフォード艦長の音信通話が3号のフリント艦長に伝えられる。

『了解!1号!』
コーパックとマラコット号の必殺の魚雷が同時に発射され、ヤマトワンダーの左舷舷側を捉える。
合計8本の魚雷が願い違わず同じ箇所で、爆発、そのエネルギーはヤマトの装甲を跳ね飛ばし、機関室に大ダメージを与えた。
一気に浸水し、左舷に傾斜、転覆するヤマトワンダーの姿に両艦の乗員から歓声が上がった。
奇しくも沈没確認地点は、坊の岬であった。

かくて、第二次ドーム基地攻防戦は、青の勝利となった。
此処に青の組織は、野中二尉の準備した特殊魚雷を装備した6号を出撃させる。
根拠地ビック・マックスの破壊の為であった。
青のカウンター攻撃である。


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エピローグ・・・青の再編

ーーーー復刻版下巻P324に続けてーーーーーーーー
             ↓
ーーーー    下巻 完       −−−−−−−−

ビック・マックス壊滅作戦を終えて入港する6号の艦橋で、早田副長が伊賀艦長に話しかけた。

『妙ですね・・・・作戦成功のお出迎えにしては仰仰し過ぎます。』
ドームの桟橋では、かなりの出迎えの職員が見えていた。
だが、その多くは青と赤の模様が混在する青の警務隊の制服が目に付く。

『繋留索連動!機関停止』
伊賀艦長の指示で、6号は繋留索を連結され、ゆっくりと着岸する。
着岸と同時に警務隊が6号の艦上に取り付いていく。

『お、おい!わしの艦に無断で・・・』
憤りを隠せない伊賀艦長に早田副長から円波局長からの連絡が伝えられる。

『局長!!どういう事です?!説明してもらいますよ!!』
伊賀艦長の怒声がマイクに響く。
だが、円波局長の説明に、伊賀艦長は、驚愕の表情を浮かべつつ、マイクを早田副長に渡す事になる。

『艦長?如何されました?』
副長の訝しげな表情に伊賀艦長は声を落として、伝えた。

『あぁ・・大変な事態が起った。警務隊の行動を妨げない様、乗員に指示してくれ・・・・。』

警務隊に拘束されて、6号を後にする野中二尉。
6号の艦橋で、その姿を見送りながら、伊賀艦長が副長に事実を説明していく。
その説明に驚きを隠せない副長。

『では、野中二尉はWスパイだったという事ですか?!』

『あぁ、そう言う事になる。先のマックスの襲撃で、ドーム内に敵が侵入してきたのは、知っているだろう。』

『彼らの狙いは野中二尉の暗殺とマックスからの情報破壊だったらしいが、
 その際に野中二尉と侵入者との会話を聞いていた職員が居てな・・・・。』
伊賀艦長は一息つくと

『で、Wスパイが、発覚したと言う事だ。』
と言い放つ。

『では、青は、その事実を我々に知らせず、マックスの本拠地を攻撃に向わせたのですか?』
副長が怒る口調で、艦長に話す。

『まあ、そう言う事だ。青としては、マックスの貴重な情報源である野中二尉の協力は必要だったという事さ。』

『彼は、どうなるんです?』
副長の問いかけに

『警務局と青の上位組織しだいだな。我々では、如何にもならん・・・・。』

『しかし・・・ひどい話ですね。』
と副長が呟く。

『あぁ・・しかしマックスは壊滅できた。暫くは平和になるさ。』
伊賀艦長が答える。
何やらもやもやした気持ちが収まらない副長の気持ちを察して、伊賀艦長が話しかけた。

『副長の気持ちも分かる。今から直ぐに局長に文句を言ってやる!!後は頼んだぞ、早田くん。』
その剣幕に、副長は苦笑しながら

『円波局長も大変でしょうね。』
と、艦橋を出て行く艦長の姿を見送っていた・・・・。

野中二尉はWスパイとして、警務局で拘束された。しかしそれ以降、彼の行方は知れなくなる。
噂では、獄中死したとも、脱走したとも伝えられたが、真実は皆目解らなかった。
だが、調査事実で、青の組織も改変される事になった。
特に、最大の敵マックスを失った事で、軍備を破棄し、救難が主目的になり、
攻撃型潜水艦隊を解散した為に、各艦は所属していた各国の海軍に戻る事になった。
海洋の安全が遂に回復されたのだった。
しかし、地上では、民族紛争は絶えず、環境破壊は続き、その喧騒は次第に、海洋の平和を覆うだろう。
その時は青の組織は再軍備を行う事は間違いない。
その様な時代が、再び訪れないことを祈って・・・





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